093523 ランダム
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目指せ!シナリオライター

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親父とギャル


 秋田鉄平(45)は、渋谷あたりの教材販売会社の営業マンをしている。成績は、部内最低の成績である。日々、課長の山崎正(33)から他の社員たちの前で叱責されている。
席は、窓際でパソコンのデスクトップには萌え系の少女キャラの画面を貼り付けているので、女子社員達から敬遠されている。
退社後は、秋葉原へ行き美少女フィギュアや恋愛シミュレーションゲームを買っている。
現在、秋葉原では、オタク狩りならぬオタク親父狩りが頻繁に起きている。婦警を思わせるコスプレが流行している。
秋田は、龍の革ジャンを着た少年達に路地裏へ連れ込まれリンチされ財布を奪われてしまう。しかし、美少女フィギュアは手から離さず持っている。警察が、来て事情を聞くがモヒカンの男しか特徴を覚えていない。
 倒れこんでいる秋田を、通行客たちは、見て見ぬふりでいる。
 亀山京子(22)が、ピンク色のハンカチを差し出してくる。京子は、いかにも水商売風のいでたちである。ここは危ないからと山手線に乗り上野あたりへ向かう。終電も終わり、二人でネットカフェへ行く。23番のペアシートに入り、秋田は、礼を言うが京子は煙たそうにタバコを吸い出し、ケータイをいじり始める。
 京子は、ドレスから私服に着替えるが、秋田はゲームに夢中で気にかけない。二人は、お互いの落差に呆然としながらも一夜をともに過ごす。
 秋田は、シャワーを浴びるため部屋をでる。二枚の写真をシャネルのバックを取り出す。秋田似の父親の写真とモヒカン前の弟の写真をみて肩を震わせている。
 二人は、しばらく無言で座っていたが、いつの間にか眠ってしまう。京子は、秋田の大きな背中に父親を思い出し、頭をつけぬくもりを思い出している。秋田は、黙って眠ったふりをしているのと同時に心臓の鼓動が早くなってくるのを隠すのに必死である。
 翌朝、秋田が起きると、京子の姿がなくなっている。秋田は、財布を盗まれたことを思い出す。慌てて、スーツの中にいくらか入ってないかを探す。すると、秋田の入店票に一万円札がはさまっている。メモにはオタパパ遅刻するなよ。の文字が書かれている。
 ソファーの下にピンクのハンカチが落ちている。kyokoの刺繍がしてある。秋田は、そのハンカチを握り締め店をでる。
 
 秋田は、自宅アパートに戻り、タンスの上にあるフィギュアを眺めてみるが、いつもと同じ部屋のはずであるが落ちつかない。
すぐに家を飛び出し会社へ向かう。
 秋田は、腫れた顔で会社へ遅刻してしまい、他の社員たちから失笑をかっている。山崎からは、メイドにでもちょっかいを出してからかわれている。秋葉原のメイド喫茶にでも行ってペナルティとして契約を一個取ってくるまで帰って来るなと指示される。
 秋葉原では、昨日の襲われたところをあるかないようにする。
メイドらしき少女がチラシを配っている。チラシに書かれた地図をみて店に向かう。メイド服の店員に案内され、カウンターで少女たちと話しこんでしまう。二時間がすぎ、店をでる。
 ケータイに山崎からの現況を尋ねる留守番電話が入っている。
店に戻ろうとするが、会社帰りのサラリーマンや学生が行列を作っている。
 秋田は、契約が取れないまま帰社する。山崎から罵声を浴びせられる。秋田は、秋葉原を避け、上野へ向かう。満員電車を降りピンクのハンカチで汗を拭く。京子の事を思い出す。昨日のネットカフェの前で張り込む。終電間際、あきらめて帰ろうとすると京子が背後から声をかけてくる。
 二人で 23番のペアシートへ入る。京子は、自分がネットカフェ難民であることを打ち明ける。幼い頃、両親が離婚をし、父親に自分が、母親に弟がひきとられてしまう。優しかった父親が昨年、東京へ出稼ぎにでたきり、音信普通になってしまったのだという。
秋田のことが父親のように思えたのだという。今月いっぱいで
実家のある伊豆のアパートを更新しないと追い出されてしまうのだという。父親の思い出をなくさないためにもお金をために水商売で働いているのだという。
 秋田は、一ヶ月二人で、ここで生活するように提案をする。昼は、京子が部屋に残り、夜は秋田が部屋に残る。秋田は、会社帰りにカップラーメンやお菓子などを大量に買い込んでくる。
 休みの日は、二人で町へ出て、父親の勤め先などを手がかりに父親探しに出て行く。
 秋田は、山崎から今月営業成績が上がらないようだったら、九州へ転勤させると言われる。
 秋田は、そのことを京子に打ち明けるとそうならないようにすればいいだけだよ。といわれる。
 秋田は、人が変わったように働き始め、周囲にも徐々に打ち解けていくようになる。パソコンのデスクトップには伊豆の景色が写っている。女子社員たちからは、彼女でもできたのかとからかわれている。
 秋田は、会社帰りに若い男とレストランで食事をしている京子を見つけてしまう。秋田は、京子を問い詰めると、同伴出勤だといわれる。私は、あなたのこと好きだと言った覚えはないといわれてしまう。それが嫌だったら出て行くという。秋田は、京子に平謝りする。 
 会社へ行くと、山崎から九州への転勤は、ただのプレッシャーだったといわれる。秋田は、いつもより、食材を多く買って部屋に戻る。部屋の中に京子はおらず、京子の荷物が全部なくなっている。
 メモ紙には、ゴメンナサイの文字が書かれている。店員にどこへ行ったかを尋ねてもわからない。秋田は、夜の街へ京子を探しに出かける。
 会社が終わってから、数日、毎夜探し続ける。秋田は、自宅のアパートへ戻り、フィギュアを見るが気持ち悪くなり全部すててしまう。京子の面影を求めてキャバクラやメイド喫茶へ通い初めてしまう。何回かネットカフェの23番ブースへ行くが若いカップルの話し声が漏れてきている。秋田は、肩を落とし出て行く。
 銀行へ行き残高を見て愕然とする。京子への寂しさが怒りへと変わってくる。スーツのポケットをみるとピンクのハンカチが入っている。近くのクズカゴへ捨てようとするが、握り締めポケットへ戻す。
 秋田は、会社の同僚たちと秋葉原へ繰り出している。クリスマスのイルミネーションが照らしだされている。サンタの格好をしたメイドたちがいる。同僚と別れて足早に駅へ向かう秋田に龍の革ジャンを着たモヒカン姿の男たちに囲まれ殴られて、財布を取られてしまう。警戒していた警察官たちがすぐに駆けつけ男たちを連行していく。その中に、龍のピンクのジャンパーを着た京子が混じっている。
 京子は、秋田に気付き、申し訳なさそうに頭を下げるようにして連行されていく。
 秋田は、警察署で京子と面会する。秋田は、いなくなった経緯や自分を襲った理由を語気を強めて突き詰める。京子は、あなたをだましたわけではないという。
 突然、生き別れた亀山徹(20)から電話が掛かってきたので藍に行き再会する。徹は、モヒカン姿で黒の革ジャンを着ていて、秋田を以前襲った犯人であることに気付く。徹は、好きでこんなことをやってんじゃないことを京子に言う。父親が、こいつらに大怪我をさせられたのかも知れないという。その証拠を探るために入ったのだ。しかし、一緒になって悪さをしていくようになり、いつの真美かその思いが薄れリーダーまで持ち上げられて自分お愚かさに気付き脱退しようとするが、仲のいい仲間からお前の姉貴を襲うぞと言われ仕方なく続けていたという。
 それを聞き、仲間から連れ出そうと、京子もメンバーに加わりわざとつかまろうと、警察に匿名の電話をしたのだという。
 京子の父親が危篤状態だという知らせが入る。京子は、泣き伏してしまう。秋田は、オレが見舞いに行くという。秋田は、その日のうちに京子たちの告訴を取り下げる。病院に駆けつけると秋田一人しかおらず、京子たちが気の毒に思えてくる。手術中のランプが点灯している。
 秋田は、郷里の母・秋田タツ(78)へ電話を掛ける。結婚はまだせんのか?と心配するタツにもう少しかもよと答える。
 手術中のランプが消灯する。医師から最悪の状態は脱したと報告を受ける。結果を警察に電話をし、京子と徹に伝えることにする。
 秋田は、仕事を休み、亀山孝一(57)の看病をする。孝一は、目を覚まし秋田の顔をみて不思議そうな顔をする。いきさつを秋田が話すと、孝一は、心配させまいと京子には、連絡しなかっのだという。それが災いになってしまったと嘆く。
 京子は、病院に駆けつける。秋田に礼を言い、孝一に抱きつく。
 秋田は、徹のことを聞くと京子は、秋田の件だけだったので、すぐに出られたのだが、徹は、余罪が多く判明し実刑は免れないだろうということだった。孝一は、額に手を当て、自分のせいでと嘆く。
 京子にも苦労をかけるなと侘び、伊豆のアパートも出て行くように伝える。京子は、伊豆の家は、更新したのだという。徹と孝一に帰る家がなくなるからという。その間は、秋田と自分で守っていくという。
 秋田は、自分が言おうとしてたことを先に言われ舌を出してしまう。秋田は、徹から面会した日に姉貴をよろしくお願いします。と伝えられている。
 京子は、まだ付き合ってもないのにという。
 お台場のデートスポットを歩き、いろいろなカップルを目にする。
 喧嘩するカップル・不倫カップル・イチャイチャカップル。
 秋田は、親子くらい年の離れた二人がペアルックを着て手をつないであるいている。
 秋田は、いろんなカップルがいるよ。でも俺たちはどうみられてるのかな?苦笑する二人。伊豆急の切符を握り締め駅へ向かっていく。
       おわり 


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